おきなわ子ども未来ネットワーク

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命のバトン

人形

 特別養子縁組を立ち上げて、やがて1年が経とうとしている矢先、待望の赤ちゃんが誕生した。元気な男の子で、誕生の産声は聞けなかったが、病院からの知らせに飛んで行った。新生児室のガラス越しから安らかな寝顔の赤ちゃんを見た時、「無事に生まれて来てくれて、ありがとう!あなたを待っていたのですよ!あなたは幸せになりますよ!」という言葉が自然に出て来た。この子には、愛情を持って育ててくれる養親さんが待っており、本当に待ちに待った赤ちゃんで、生まれたという知らせに電話の向こうから歓声が聞こえて来た。

 この赤ちゃんは私たちにとっても初めての赤ちゃんであり、赤ちゃんを産んでくれた母親とは妊娠が分かった時からの付き合いであった。産んでも育てることは出来ないということで、しかし生まれてくる子どもには幸せになってほしいという思いから特別養子縁組を選択してくださった。私たちはその母親の思いをしっかりと受け止め、養親さんには半年余かけて面接、家庭訪問、研修等を行い、無事養親としての登録を終えたところであった。

 私は長年福祉の現場で勤めていたが、若年の母親が子どもを産みたいということで子どもを産み、しかし産んだ後のその後の長い道のりを考えた時に、暗澹たる思いでどうすることもできない無念さを抱いていた。しかし今回は違っていた。生まれてきた男の子は、間違いなく幸せになれるのである。あんなにも子どもの誕生を待ちわび、出産を喜び、そして日に日に養親さんが実の親として成長していく様子を見た時は、まさに命のバトンはしっかり引き継がれたと実感した。

 時を経ず、2番目の赤ちゃんが誕生した。今度は、女の子である。登録を終えたばかりの養親さんに電話を入れると、神が授けてくれたのだと感謝の声が潤んでいた。赤ちゃんを産んでくれたお母さんには、無事に産んでくれたお礼にを言い、そして子どものために勇気ある決断をしてくれたことに感謝した。

 事務所には、今度生まれてくる赤ちゃんのために、手作りのお雛様を飾っているが、それを見て3日過ぎても飾っていたらお嫁に行き遅れますよといわれてしまった。でもそれは昔の話で、今はお嫁にいくのが女性の務めではなく、健康で自立して生きることが第一だから、ゆっくり楽しんで飾りますと言ってしまった。しかし、3月中には仕舞えそうで、内心ホッとしている。

     2020年3月14日(y/y)

養親希望者研修開催中

研修

 特別養子縁組の養親(ようしん)となることを希望するご夫婦は、養親希望者研修を受講しなくてはなりません。座学と実習、合わせて6日間(児童相談所などで養子縁組里親研修を受けたご夫婦には一部免除規定があります)。

 養親になることを希望してこられた皆さんは、説明会、家庭訪問、座学・・・とても緊張されています。「私たちは、養親さんの試験をしているわけではないので、Reluxしてくださいね」と声をおかけするのですが・・・やっぱり緊張してしまいますよね・・・。

 しかし、養育演習の時には、ありのままのご夫婦の姿を見ることができます。この研修では、新生児模型である「桃子ちゃん」に協力してもらって、抱っこの仕方やお風呂の入れ方、洋服の脱ぎ着を練習します。「桃子ちゃん」は医学や看護学の実習にも使われるので、とてもリアルな「赤ちゃん」。扱う時にはついつい、本当の赤ちゃんを相手にしている様に声をかけ、養親さんの表情も穏やかになってしまいます。

 おふろの練習では、ご主人が沐浴を担当して、奥様がサポートをするのですが、「桃ちゃん」に危険がないか、すでに「お母さん」の視線で、「お父さん」を見張って・・・いえ、見守ってくれます。お父さんが「危ない、顔がお湯に浸かる!」と慌てたり、お母さんが「気持ちよかったね」と言いながら「赤ちゃん」を受け取る姿を見て、私たちは「きっといい、お父さんとお母さんになるんだろうな」と、ついつい目を細めてしまうのです。

    *写真は研修講師が沐浴練習のデモンストレーションをしているところです。

     2020/2/15(田中典子)

人と違う道だからバラ色、世界一へ

夕日

 「名古屋ウィメンズマラソン2020」が3月8日に開催され、一山麻緒さんが優勝した。彼女は、鬼コーチの鬼メニューを最も一途にやりこなしたため、自信があったと語っていた。その必勝プランは、生中継のドラマティックな展開でTVを騒がせていた。それは、給水場の一幕である。給水をする瞬間、人と同じように「はあ〜」と、一瞬でも力を抜きがちであるが、そこをチャンス到来と思ったところで、彼女は給水をせず、速度を急激に3分半近く上げて猛スピードでトップに躍り出たのだ。首位争いの、一番後ろにいた彼女が二位との差をつけて、自己最新記録の2時間29分29秒を出した。ここから、勝負の時に、窮地から最善の力で事態好転することができるのか、智慧と発想の転換など素晴らしかったなあと感じた。誰も予想だにせず、Qちゃんこと高橋尚子さんも声高に応援して、喜ばれていました。

 人生は、皆と同じことをしない、勇気と行動力。また、彼女のようなひたむきさやピュアな心は、物事に勝利の女神が微笑みかけてくれたのかもしれない。22歳の英雄は、鬼コーチを一途に信じた成果に過ぎないと語り、謙遜の姿勢も非常に素晴らしかった。

     2020/3/13(RW)

愛する人を失った後の時間を、生きた人

赤い実

 東日本大震災で、消防士の息子とその妻と、その家族を亡くした男性が、元住んでいた場所にやっと戻ることができたので、そこに2階建てのマイホームを作りたいという特集を見た。それを生き甲斐に、9年間生きることができたそうです。

 震災は、『自分の身は、自分で守ろう!』を合言葉にするのだが、障害を持つ人や子ども、女性などの災害弱者はどうしても被害に遭う。彼の息子は、自宅で子どもと妻を抱きかかえた状態で3名共に死んでいたそうです。愛する人を一瞬にして亡くす辛さ、本当に苦しいです。残酷です。しかし、彼は前向きに9年間頑張ってこられたことに、心を打たれた。

 タレントのはるな愛ちゃんより、「9年経つと一口に言いますけど、人によっては、そのスピードは違うんです。どこまで行けば復興と言えるのか。本当に、やさしい気持ちで支えてあげたいですね」と、素晴らしい言葉をいただきました。

 被災者のこの様な体験を見せられ、生きることや当たり前にあることに、最も日々感謝すべきだと感じた。愛する人が、日々健康で元気に生きていてくれることこそ、幸せ。その底辺の大事な部分を、忘れては行けないと思う瞬間でした。

     2020/3/13(RW)

「幸せ運ぶベビーシューズ」

くつ

 初孫が誕生する際に、何かプレゼントをしたいと考えていた時に出会ったのが、このベビーシューズでした。はたしてうまく作れるのか心配でしたが、なんとかぎこちない手で編んでプレゼントすることができました。出来上がったシューズを見た時に、なんと小さい・・・と思ったのですが、実際履かせてみると、思いの外ブカブカでした。それほど、生まれたばかりの赤ちゃんって小さい生き物なんだと実感させられました。

 それ以来、周りで赤ちゃんが誕生するとシューズのプレゼントにハマっていきました。拙い出来であっても、手作りで、その子だけの特別なシューズ、ということで、ママたちには喜ばれました。そのシューズには、生まれた赤ちゃんが幸せになって欲しい気持ちと、いつか子どもが大きくなった時にシューズを見て、こんなに小さかったのだということが実感できればという思いがありました。

 しかし、世の中にはいくら子供を欲しいと望んでも、子どもが授からないご夫婦がいます。当時、私の職場にも子どもが出来なくて悩んでいる職員がいました。周りで次から次へと結婚し、出産していく女子職員がいる中で、とても辛かったと思います。私もなんとか彼女にベビーシューズをプレゼントしたいと思っていた時に、辞めていく事になりました。

 そこで考えたのが、ベビーシューズの「予約券」でした。この予約券は期限がないのでいつでも使えます。また、効力もありますので、赤ちゃんが出来たらすぐ連絡してくださいと願いを込めて渡しました。

 それから数年後、うれしい電話がありました。本当にできたのです、赤ちゃんが。

 それ以来、幸せ運ぶベビーシューズと勝手に名付けました。自分でも気に入ってます。

on feb 2020 (y/y)

研修会に参加してきました。

研修

 「令和元年度養子縁組民間あっせん機関職員研修」参加のため、2月6日から7日まで、東京に行ってきました。今年は暖冬と言われていますが、当日はこの冬一番の寒波が襲来し、沖縄県民としましては、びっくりするような寒さを味わってきました。コート、手袋、マフラーのフル装備で遠征・・・、風邪をひくことなく、元気に帰還しました(笑)。

 さて、研修には全国の民間あっせん機関、児童相談所職員など総勢80名ほどの関係者が参加していました。研修中の撮影はNGだったので、入り口の様子を一枚、カメラに収めてきました。

 民間あっせん事業所が「届出制」から「許可制」になってから、初めて厚生労働省が開催した研修会です。これまで、養子縁組のあっせん機関はそれぞれの方法で事業を運営してきましたが、届出制になったことで、ある程度全国統一のルールのもと、事業が展開されることになります。

 私たちの法人でも、日々事業を運営するにあたって間違いがあってはいけないと気を配っていましたので、今回の研修を受けてこのままで大丈夫な事項、改善した方が良さそうな内容を確認することができました。

 しかし、しかし、一番の収穫は日本全国に20余りしかない民間あっせん事業所の皆さんと顔を合わせて挨拶を交わして、情報交換をしたり、ノウハウを教えていただいたりしたことです。「おきなわ子ども未来ネットワーク」は、事業所の中ではおそらく最も若い、生まれたての民間あっせん機関です。運営していく上で、先輩方からの貴重なアドバイスは欠かすことができません。今回、たくさんの関係者の皆さんとお話ししたことで、私たちはきっと、ワンアップできたはず・・・。研修会参加で得たものを、皆様に還元できるように頑張ります!

   on feb 2020 田中典子

『THINK RICH LOOK POOR』

popart

 私は最近、以前可愛いので気に入って買った小さなバグの言葉を、不意に思い出した。なにかの名言に違いないと思い調べてみたところ、キャンベルスープのロゴを描いた画家、アンディ・ウォホールという、ポップアートの巨匠が書いたものだった。彼の名言はこれである。
 Think rich look POOR

 「内面や考えを豊かに、外見や見た目を質素に」
 この直訳には、自分の品性、知性、感性、性格や考え方等が内面的に備わっていくと、外見もまた輝きを増して美しい姿に見えてくるという内容。だから、品良く、贅沢を慎み、シンプルに着飾るくらいが丁度よくバランスが取れるということだったのか。

 さらに外見とは、内面の一番外側にある内面であるので、内面磨きからそのことに気づき、自分を知る作業こそが、自らを輝かせる土台となることがわかってくるという。

 しかし難しいのは、「本当の自分を見つける」また「本当の自分を作る」ためには、どうすればいいのだろうか、そこでいつも立ち止まる。

 私の尊敬するマザー・テレサは、「苦しんでいる人がいたら、放っておくことができない」という、その気持ちが人生を作り上げていった人。また、彼女のところにボランティアに行き、牧師になることを勧められた男性は、それでもまだ、本当になるべき道がわからないので、その後も教えられる通り、毎日祈り続け牧師になった。彼は、その状況から、ある時「その道で行きなさい」と言われた感覚があったという。それが神の声であり、自分の声であったと語っている。

 いま、私が感じることは、人生で最も大事なことは、自分の気持ちに正直で、いつも素直であることが簡単なようで、難しいこと。自分の許せないことや、こうしたいと思うことをやり続けることが、自分を作るということになる。

 アンディ・ウォホールのメッセージを眺めていると、今の世の中にある物質的豊かさから何を得るのだろうか。また、外見を満たして満足する生き方をどう考えるか。本当の豊かさとは何かという問いを、新たに投げかけられているように思えてならない。

 on feb 2020 (R/W)

人を残すのが一流

nomura

 ヤクルトスワローズ一筋で現役を終え、その後も監督人生の中で、多くの球児、プロ野球選手を育てた、ヤクルトの野村克也監督(享年84歳)のメッセージに、私は心を打たれた。

 貧乏家庭で育った野村監督は、そこから抜け出すために野球選手になろうと、新聞記事のプロ野球選手募集欄を見て応募した。そのプロテストでは、飛距離が足りない事で、少し前から投げる等大目に見てくれたという運の強さもあり、テストに合格した。

 最初は契約金なしのスタートだったため、苦労が絶えなかったと話す。最初から、当然ではあるが練習に参加することもできず、辛い日々を送ったのだが、唯一、朝から晩まで毎日毎時素振りは欠かさなかった。しばらくすると、そんな姿を感じ取っていたのか、コーチが「みんな、手を見せてみろ!」と、選手全員を集めて手を見比べてみてから、野村監督の手をみた瞬間、「みんな見てみろ、これが本当のプロの手やで!」と言った時本当に嬉しかったと彼は語っていた。

 彼が亡くなる2年前の、愛弟子である古田敦也さんとの対談で、このような素晴らしい言葉を残している。

 金を残すのは三流
 名を残すのは二流
 人を残すのは一流

 「だから、監督をしなさい!ユニフォームを着て、じっとしてないで早くなりなさい。」どこの世界にも、子は宝である。いつの間にか自分が育ててきた子供を、一人の人として、同じ人間として扱えますか。人を残すために、自分の子供のように、大事にその成長を傍で応援し、大きな力となれる人は素晴らしいと思う。自分の子供も、そういう大きな世界観で、人を育てていける大人がたくさんいてほしいと願っている。

   on feb 2020 (R/W)

生きる秘訣

rose

 今日は、最近テレビでよく見かける料理愛好家であり、シャンソン歌手、タレントの平野レミさんについて話します。

レミさん曰く、「何でも家庭で作ると愛情で美味しくなってしまうのよ!」と話します。それから、「味付けすぎなければ大丈夫。最悪、カレーにしてしまえばいいのよ。おっかなびっくりしない、大丈夫!」と、何でも笑い飛ばすレミさんですが、自由すぎる発想とトークすごいなあ。

 自分のやりたいことに一生懸命になること、とにかく先ずは考えに悩みを持たず、動いてる。

 実は、72歳ですよ!こんなに元気で、人にエネルギーを与えられる人もなかなかいないと思います。

 そして、料理の味は最高なんだとか。でも、動きを見ていると手抜きで雑に見える時もあるのですが、食材の成分のこともしっかり考えられています。食べる人のこと考えて、日々工夫しているし、ハートがありますよ。

 このレミさんが、お正月特番で名言を言ってくださいました。それは、「自分の本当にやるべきこととやりたいことが重なれば、幸せになるのよ!」という言葉。レミさん、自ら大騒ぎでタレントさんの中で混じってたくさんの料理を作り、こたつの中で一息ついて言った言葉でした。

 レミさんは、物事をやるときは動くためにほんとうによく喋る、笑う、触れ合うのです。うるさいくらい感じる時もあるけれど、レミさんは一生懸命で、楽しく、自分らしく、素直であるので、美しく長生きをする秘訣なのだと思います。

 ちなみに、平野レミさんの長男(ミュージシャン)のお嫁さんは、女優の上野樹里さんですが、賑やかな家族らしいです!こんな風に家族を作って、こんな風に幸せのレシピと一緒に、人生のメッセージをギフト出来たら最高ですね!

 私自身、平野レミさんを一目標に、そして人生の楽しみ方をたくさん知っている方に出会うことが幸せだなって、最近感じています。自分の本当にやるべきことを、自分のやりたいことに出来るように、素直で豊かな感性と一生懸命な自分を持ち続けたいです。

   on Feb 2020  (R/W)

特別養子縁組に思うこと

 思いがけない妊娠で困った女性が、妊婦健診を受けずにひっそりと自分一人でお産をする。生まれてきた赤ちゃんをどうしていいのかわからずに、死なせてしまったり、遺棄してしまったりする・・・
 赤ちゃんを産んだ女性は「加害者」に、生まれてきた赤ちゃんが「被害者」になる。

 こんな出来事が、日本中でたくさん報告されています。ニュースを聞くたびに、一人ぼっちで妊娠生活を送って、一人ぼっちで出産するなんて、どれだけ不安で心細くて、怖かっただろうと胸が痛みます。そして、ただただ、赤ちゃんを死なせたくないという思いを強くします。

 女性が安心して妊娠、出産を迎え、赤ちゃんの命を確実に守る方法の一つが「特別養子縁組」です。私たちは、赤ちゃんを産む女性が「育てたい」と望むのであれば、それを支援します。一方で「育てることができない」というのであれば、赤ちゃんを待っているご夫婦に託すお手伝いをします。
 世の中の皆さんには「育てることができない」と、女性が安心して口にできる世の中を、そして、そういう女性に対して、「赤ちゃんの命を守って、幸せにしてあげたいと願った素晴らしいお母さんだったね」と思いを寄せられる、優しくて寛容な社会をつくって頂けたら嬉しく思います。
   (田中典子)  on Jan  2020

  

新米の季節は・・・秋?

いね

 6月のある朝、TBS系列のテレビを見ていたら、千葉の棚田で田植えが終わり、水を湛えた田んぼで緑色の苗が風に揺られている姿が映し出されました。

本土出身の私は、「そうだ、新しい学年になって少し慣れたころ、こんな風景の中、登下校したっけな」なんて思いながら、その日一日を過ごしました。

 さて、その日の夕方、日課の散歩で近所を歩いていたのですが・・・なぜか今日は、とても目についてしまいました。首を垂れた稲穂の姿!

 二期作の沖縄では、そろそろお米の収穫の時期を迎えるんですね。沖縄の子供達が「なんでお米の収穫は秋って、学校で習うのかな?」なんて、混乱していないといいのですが・・・

            (田中典子)

居場所のない妊婦さん

 安心して生活できる場所のない妊婦さんがいます。親からの虐待を受けて実家にいられない妊婦さん、交際相手や友人の家を点々とせざるを得ない妊婦さん・・・そういう女性に出会うのは珍しいことではありません。

 日本では生活保護や児童養護施設、婦人保護施設など、国民の命を守り、安心して生活できるようにセーフティーネットがたくさん備えられています。しかし、妊婦さんが安心して穏やかに生活できる環境はまだまだ不足しているといわざるを得ません。

 妊婦さんには医療的な見守りが必要です。妊娠しているので、仕事をして自立した生活を目指すことはできません。近々生まれてくる赤ちゃんを安心して育てることができる場所も必要です。そしてなにより「居場所のない妊婦」になってしまった原因を解決するお手伝いも大切です。

 複雑で多くの問題を抱えた妊婦さんを丸ごと包み込み、第2の実家となるような、そんな居場所を作れたらいいなと、そんなふうに思う毎日です。

             (田中典子) on jan 2020

愛しのモス

 3年前、代表から一言「これに応募しなさい」と差し出された「金城芳子基金」のポスターから私たちの活動は始まりました。
 まずは、基金を頂くための申請書類作成、無事に基金をいただけることになり、東京へ若年妊娠の支援を勉強するため日本財団も関わる全国妊娠SOSの研修に参加、妊娠SOS東京(当時)の中島さんや東京の特別養子縁組斡旋団体との方達と出会い、先駆的な取り組みを学ぶことができました。
 毎週土曜日ごとに読谷の某ハンバーガーショップでミーティングを行い、私たちが若年妊娠の子達を支援する上で大切にしたいこと、民間の強味を活かした息の長い支援の仕組みや方法、事業資金をどのように確保するか、特別養子縁組斡旋団体許可申請手続きなど数少ないメンバーで準備を進めてきました。
 メンバーそれぞれが仕事を抱えながらの新しい事業の準備は、想像以上に大変でした。沖縄の経済的、環境の厳しい状況に置かれた若年妊婦さんと産まれてくる子どもたちに安心で安全な環境を、「生まれてきて良かった」と思ってもらえる、大変な状況を相談できる場所を作りたいと思ってきました。
 4月末に沖縄県より特別養子縁組斡旋許可団体として許可証を頂きましたが、二つの事業を同時に行うため準備に時間がかかり、6月より活動が本格的に始まりました。事業の果たす社会的責任は大きく、予期せぬ妊娠で困っている若年の妊婦さん一人ひとりの置かれた状況を理解し、産まれてくる赤ちゃんやお母さんにとっての最善の利益が何か一緒に考え、真摯に向き合っていきたいと思います。(S/k)       on june

お店

小さな奇跡・大きな奇跡

 この事業を実施するにあたり、どうしても書いておきたいことがありますので、その感動が薄れる前にここに書きます。
 そのひとつ。今から2年ほど前、新しく立ち上げる事業の事務所をどこにしようかと探していました。そしてある場所に密かに目星をつけていたのです。1年が経ち、様々な条件を鑑み、やはりそこしかないという確信にまで変わっていったのです。
 ところが事は安直には進捗しませんでした。事業開始予定一ヶ月前になっても思う場所に空室は出ず、別の場所を探さねばと半ば諦めていたところへ、不動産屋さんから電話が入り、当の目星の場所で3月末に退室する人が出たという報せ。
 いかなる偶然の計らいなのか、天にも上るとはまさにこの時の私の気持ち(うかれすぎでしょうか)。わたしの2年越しの思いがついに遂げられ、無事に新しい事務所が開けたことをしみじみ喜んでいます。
 さて念願の事務所は開設できましたが、事業開始に向けてゼロからのスタートで、何から手をつけたら良いのか分からないというときに、強力な助っ人が奇跡のごとく私の前に現れたのです。私たちの事業に賛同しお手伝いしたいと、テキパキと事業開始に向けて準備を進める目を見張らんばかりのその仕事ぶりと、あまりのタイミングの良さに、この時も心から神に感謝いたしました。
 それから一番の奇跡は、二十七名のサポーターさんです。沖縄本島を始め、宮古、八重山を含む県内各地に、ボランティアで妊娠検査薬と病院同行をしてくださる皆さんです。私たちの事業に賛同し、大型連休前にも関わらず、20名余りの皆さんが研修に参加し、最終的には27名のサポーターさんが誕生しました。みんなそれぞれ仕事を持ちながら、県内の若年女子のためにお手伝いしたいという心温かな、優しい皆さん達です。彼女達がいないと私たちの事業は成り立ちません。心から感謝です。
 この事業を開始するに当たり、多くの皆さんに経済的にも支援していただきました。まさに奇跡の連続ではなかったかと思います。この事実を決して無駄にすることなく、心をひきしめて向き合っていきたいと強く思うところです。(Y/y)   on june