おきなわ子ども未来ネットワーク

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特別養子縁組に思うこと

 思いがけない妊娠で困った女性が、妊婦健診を受けずにひっそりと自分一人でお産をする。生まれてきた赤ちゃんをどうしていいのかわからずに、死なせてしまったり、遺棄してしまったりする・・・
 赤ちゃんを産んだ女性は「加害者」に、生まれてきた赤ちゃんが「被害者」になる。

 こんな出来事が、日本中でたくさん報告されています。ニュースを聞くたびに、一人ぼっちで妊娠生活を送って、一人ぼっちで出産するなんて、どれだけ不安で心細くて、怖かっただろうと胸が痛みます。そして、ただただ、赤ちゃんを死なせたくないという思いを強くします。

 女性が安心して妊娠、出産を迎え、赤ちゃんの命を確実に守る方法の一つが「特別養子縁組」です。私たちは、赤ちゃんを産む女性が「育てたい」と望むのであれば、それを支援します。一方で「育てることができない」というのであれば、赤ちゃんを待っているご夫婦に託すお手伝いをします。
 世の中の皆さんには「育てることができない」と、女性が安心して口にできる世の中を、そして、そういう女性に対して、「赤ちゃんの命を守って、幸せにしてあげたいと願った素晴らしいお母さんだったね」と思いを寄せられる、優しくて寛容な社会をつくって頂けたら嬉しく思います。
   (田中典子)  on Jan  2020

  

新米の季節は・・・秋?

いね

 6月のある朝、TBS系列のテレビを見ていたら、千葉の棚田で田植えが終わり、水を湛えた田んぼで緑色の苗が風に揺られている姿が映し出されました。

本土出身の私は、「そうだ、新しい学年になって少し慣れたころ、こんな風景の中、登下校したっけな」なんて思いながら、その日一日を過ごしました。

 さて、その日の夕方、日課の散歩で近所を歩いていたのですが・・・なぜか今日は、とても目についてしまいました。首を垂れた稲穂の姿!

 二期作の沖縄では、そろそろお米の収穫の時期を迎えるんですね。沖縄の子供達が「なんでお米の収穫は秋って、学校で習うのかな?」なんて、混乱していないといいのですが・・・

            (田中典子)

居場所のない妊婦さん

 安心して生活できる場所のない妊婦さんがいます。親からの虐待を受けて実家にいられない妊婦さん、交際相手や友人の家を点々とせざるを得ない妊婦さん・・・そういう女性に出会うのは珍しいことではありません。

 日本では生活保護や児童養護施設、婦人保護施設など、国民の命を守り、安心して生活できるようにセーフティーネットがたくさん備えられています。しかし、妊婦さんが安心して穏やかに生活できる環境はまだまだ不足しているといわざるを得ません。

 妊婦さんには医療的な見守りが必要です。妊娠しているので、仕事をして自立した生活を目指すことはできません。近々生まれてくる赤ちゃんを安心して育てることができる場所も必要です。そしてなにより「居場所のない妊婦」になってしまった原因を解決するお手伝いも大切です。

 複雑で多くの問題を抱えた妊婦さんを丸ごと包み込み、第2の実家となるような、そんな居場所を作れたらいいなと、そんなふうに思う毎日です。

             (田中典子) on jan 2020

愛しのモス

 3年前、代表から一言「これに応募しなさい」と差し出された「金城芳子基金」のポスターから私たちの活動は始まりました。
 まずは、基金を頂くための申請書類作成、無事に基金をいただけることになり、東京へ若年妊娠の支援を勉強するため日本財団も関わる全国妊娠SOSの研修に参加、妊娠SOS東京(当時)の中島さんや東京の特別養子縁組斡旋団体との方達と出会い、先駆的な取り組みを学ぶことができました。
 毎週土曜日ごとに読谷の某ハンバーガーショップでミーティングを行い、私たちが若年妊娠の子達を支援する上で大切にしたいこと、民間の強味を活かした息の長い支援の仕組みや方法、事業資金をどのように確保するか、特別養子縁組斡旋団体許可申請手続きなど数少ないメンバーで準備を進めてきました。
 メンバーそれぞれが仕事を抱えながらの新しい事業の準備は、想像以上に大変でした。沖縄の経済的、環境の厳しい状況に置かれた若年妊婦さんと産まれてくる子どもたちに安心で安全な環境を、「生まれてきて良かった」と思ってもらえる、大変な状況を相談できる場所を作りたいと思ってきました。
 4月末に沖縄県より特別養子縁組斡旋許可団体として許可証を頂きましたが、二つの事業を同時に行うため準備に時間がかかり、6月より活動が本格的に始まりました。事業の果たす社会的責任は大きく、予期せぬ妊娠で困っている若年の妊婦さん一人ひとりの置かれた状況を理解し、産まれてくる赤ちゃんやお母さんにとっての最善の利益が何か一緒に考え、真摯に向き合っていきたいと思います。(S/k)       on june

お店

小さな奇跡・大きな奇跡

 この事業を実施するにあたり、どうしても書いておきたいことがありますので、その感動が薄れる前にここに書きます。
 そのひとつ。今から2年ほど前、新しく立ち上げる事業の事務所をどこにしようかと探していました。そしてある場所に密かに目星をつけていたのです。1年が経ち、様々な条件を鑑み、やはりそこしかないという確信にまで変わっていったのです。
 ところが事は安直には進捗しませんでした。事業開始予定一ヶ月前になっても思う場所に空室は出ず、別の場所を探さねばと半ば諦めていたところへ、不動産屋さんから電話が入り、当の目星の場所で3月末に退室する人が出たという報せ。
 いかなる偶然の計らいなのか、天にも上るとはまさにこの時の私の気持ち(うかれすぎでしょうか)。わたしの2年越しの思いがついに遂げられ、無事に新しい事務所が開けたことをしみじみ喜んでいます。
 さて念願の事務所は開設できましたが、事業開始に向けてゼロからのスタートで、何から手をつけたら良いのか分からないというときに、強力な助っ人が奇跡のごとく私の前に現れたのです。私たちの事業に賛同しお手伝いしたいと、テキパキと事業開始に向けて準備を進める目を見張らんばかりのその仕事ぶりと、あまりのタイミングの良さに、この時も心から神に感謝いたしました。
 それから一番の奇跡は、二十七名のサポーターさんです。沖縄本島を始め、宮古、八重山を含む県内各地に、ボランティアで妊娠検査薬と病院同行をしてくださる皆さんです。私たちの事業に賛同し、大型連休前にも関わらず、20名余りの皆さんが研修に参加し、最終的には27名のサポーターさんが誕生しました。みんなそれぞれ仕事を持ちながら、県内の若年女子のためにお手伝いしたいという心温かな、優しい皆さん達です。彼女達がいないと私たちの事業は成り立ちません。心から感謝です。
 この事業を開始するに当たり、多くの皆さんに経済的にも支援していただきました。まさに奇跡の連続ではなかったかと思います。この事実を決して無駄にすることなく、心をひきしめて向き合っていきたいと強く思うところです。(Y/y)   on june